洋上風力発電は名前から分かるように海洋上で発電を行う風力発電です。
従来の風力発電は陸上に設置して発電する方法でしたが、この方法よりも魅力的な部分が多いことを知っておくべきだと言えるでしょう。
日本ではまだ実証実験中であり、実用化に向けて研究や実験を行っている段階ですが、優秀な発電方法なので多くの人から注目されています。
騒音の問題が起こりづらい
従来の方法では再生可能エネルギーを利用していることが大きなメリットだと考えられていましたが、洋上風力発電はそれ以外にも便利な部分や優れた部分が多いです。
まずは騒音の問題が起こりづらいというメリットがあります。
陸地に設置する場合は、どうしても近隣住民などの周辺地域で生活している人からクレームが発生しやすくなり、実際に問題が起こっているケースもあることを知っておくべきです。
特に国土面積が狭い日本では住宅や他の施設などとかなりの距離をあけて設置することが難しくなります。
海洋上に設置する際は、少なくとも陸地から数キロメートル離れたところに設置することになるので問題が起こりにくいです。
超低周波音の問題が示唆されたこともありますが、これについても設備の改善や設置場所の変更で問題が解決できるとされています。
景観を損ねない
景観を損ねないことも大きな魅力です。
場所によっては風力発電の大きなプロペラが景色とマッチしないので、普通の風力発電は町並みに合わない、景観が悪くなるなどの理由から抗議されるケースがありました。
けれども、騒音問題のときと同様に、洋上に設置する方法であれば問題が起こる心配がなくなります。
陸地から離れた場所に設置しているので、景観を損ねることなく発電を行うことができるようになるでしょう。
大規模化しやすい
大規模化しやすいことも魅力的なポイントです。
従来の陸地に設置する方法では、土地面積が限られているので大規模化することが難しかったと言えます。
たくさんのエネルギーを得ようと考えていても、そのための設備を導入できる場所がないという問題が起こっていました。
洋上風力発電は海洋上に設置することができるので陸地ほど制限を受けません。
開発当初は浅い場所の海底に固定するという着床式の設備のみでしたが、現在では船舶のような浮体構造物を利用した浮体式の設備も利用することができるので、浅い場所が少ない日本の海でも取り入れやすいと言えます。
日本は排他的経済水域が大きいこともあり、浮体式を上手く活用することで大規模な設備を設けることができることが予想されていることを知っておくと良いです。
また、大型タービンを採用しやすいことも特徴的であり、これによって発電量の増加を期待することもできるでしょう。
海洋上は得られる風の量が安定的
洋上でも陸地でも風の量が発電量を左右します。
陸地は風の量が不安定ですが、海洋上は得られる風の量がどちらかと言えば安定的です。
大きく変動してしまうことがないので、風がないから発電できないという問題が起きにくいと言えます。
風力発電は得られる風速の3倍に比例した発電量となるという理論がありますが、この理論からも分かるように少しでも得られる風が多いほうがたくさんの発電に繋がるので、洋上に設置したほうが良いと考える人が多いです。
再生可能エネルギーを利用した発電方法の中で風力発電は変換効率が良いとされていますが、風を集めやすい洋上のほうが更に変換効率が良くなることも魅力の1つだと言えるでしょう。
時間や天気の影響を受けにくい発電方法
従来のものと比較するとこういったメリットをあげることができますが、他にもたくさんのメリットがあることを理解しておくべきです。
たとえば、風力発電は時間や天気の影響を受けにくい発電方法です。
太陽光発電と違って晴れているとき以外でも発電したり、夜でも風があれば発電したりすることができます。
火力発電と違って化石燃料を使わないことも魅力的な部分であり、これによって二酸化炭素の排出量を減らすことができる、化石燃料を無駄に使用せずに済むというメリットもあるでしょう。
陸上と洋上の両方を併用することもできるので、既存の設備は有効に使いながら新たなエネルギー源を確保することができるようになります。
まとめ
ただし、この発電方法はとても新しい手法であり、現在も実証実験を行っている途中だと言えます。
従来のものより洋上風力発電のほうが優れている部分が多いとされていますが、海の生き物や海を渡る鳥に影響がないのか、継続的に海の上でしっかりと発電していくことができるのか、開発コストや導入コストを抑えることができるのかという課題があることを忘れてはいけません。
メリットは多いものの課題を克服しなければ安心して導入することができないので、現在も実証実験が続けられています。
洋上風力発電に興味があるのであれば、今後もその動向をチェックしておくべきだと言えるでしょう。
日本でも世界でも日々研究や実験が進められているので、しっかりとチェックしておくことがおすすめです。
最終更新日 2025年3月5日 by logistics